株式会社(1)設立

株式会社の設立について

1.会社設立にあたって思うこと
会社設立をする場合に一番多く選ばれるのが株式会社です。株式会社の設立に関しては、ネット上でも、書籍でもわかりやすいマニュアルが手に入りますのであえて私どもの様な専門家(司法書士、行政書士)に依頼されなくてもご自分で手続される方も多く見られます。自らの会社を自ら勉強して立ち上げることはそれはそれで素晴らしいことと思います。それを自慢される方も多々見られますし、株式会社の設立というとそれ程一般化していると言っても過言ではありません。ただ、私の経験から言いますと、このような方にたいして常に思うのは、「自ら勉強して会社設立をすることは、ご立派ですが、果たして会社設立自体が目的なのでしょうか?起業段階でもっと他にやることはないのでしょうか?」・・・ということです。起業する方の目的は、ビジネスが成功することです。特にスタートは極めて大切です。会社を作ることは簡単です。時間をかければ誰でもできる事です(※)。
※取りあえず設立する事においてのみです。本当にいろいろなことを考えて盛り込んでいこうとするとそう簡単ではありません。あとから、定款変更や登記変更が必要になりかえって時間と費用がかかる場合も沢山あります。
しかし、ビジネスで成功することは簡単ではありませんし、時間をかければ誰でもできるというわけではありません。会社設立をする方は腐るほど沢山います。しかし、残念ながら失敗する方もたくさんいます。そのほとんどはスタートのつまずきです。何事もスタート段階が大事です。・・・・
2.株式会社の設立手続きについて
株式会社の設立手続は大きく分けて(1)公証役場での定款認証までの段階 と(2)管轄での法務局の登記申請手続き、そして(3)会社設立後の手続きの段階と一応分類できます
3.定款作成に当たっての注意点
公証役場での定款認証までの段階についてここで最も大切なことが「定款」の内容を決めることです。定款の作成についてはネット上でも、マニュアル的な書籍も沢山ありますので、今まで関わってきて気になる注意点のみにとどめます。
(1)商号(会社名)について
①同一の所在地に同一の会社名は使用できない。②すでに「商標登録」されている商品名、会社名は使わない。③有名企業と同じ又は類似の会社名は使わない。
(2)事業目的について
①許認可が必要な事業の場合にはそれに相応しい事業内容にすること。②思いつくままに何でも入れてしまわないこと③事業目的、つまり何をやりたいのかが明確になる様に具体に書く事。 
(3)公告の方法について
多くのマニュアル的な書籍は、「官報に掲載する方法により行う。」というようにワンパターンで書かれています。皆様がその意味を理解されて決められているのであれば良いのですが、私の知る限り一般的にそうなっているから、という方がほとんどです。実は、会社設立を専門とうたわれている方でもそういう人が多いのが事実です。実は、決算公告との関係を考えていなければならないということです。
会社法では、従前の法規制が大幅に緩和されており、柔軟な設立が可能となり、役員の任期も10年まで延ばせるようになりました(株式の譲渡制限がある場合)。反面、株式会社は、株主総会の承認を得たのち、遅滞なく貸借対照表又はその要旨を公告(いわゆる決算公告)をする義務を負うことになっています。仮に怠った場合は、100万円以下の過料となります。これとの関係で公告方法を考えてみる必要があります。
(4)資本金について
資本金1円からでも設立できるようになっても資本金の額は大切です。①設立者の資金力、または集金力が分かります。②創業資金の融資を受ける場合資本金が基準になる場合が多くあります。③設立初年度の消費税の免除を考えると1000万円未満でなければならない。③許認可<例えば>建設業、旅行業などによって最低資本金が要求されているものあること。
(5)事業年度について
①消費税の免除期間が最長となるように設定する。②決算業務で忙しくなるので繁忙期を避ける。③決算日から2か月後には法人税、法人住民税、事業税、消費税の納付期限となるのでキャッシュが不足する月を避ける。※設立当初は、なかなかわからないので、少なくとも①は考えておきたい。
(6)発起人について
発起人とは、株式会社を設立する上でどのような会社にするかを考え・決定し、会社設立の手続きを行う人を言います。一人以上であれば何人でも構いません。発起人は、必ず出資しなければなりません(株主になります)ので名前だけというわけにはいきません。発起人は、設立時取締役の選任権を持っていますが、必ず取締役にならなければならないものではありません。
(7)会社の構造=機関構成について
会社の構造、つまり会社の機関構成をどうするかという問題です。機関としては、株主総会、取締役、取締役会、代表取締役、監査役があります。このうち、取締役会と監査役は必ずなければならないものでは有りません。但し、取締役3人以上いる場合に取締役会を作ることができます(任意)、作ったばあいは必ず監査役を置かなければなりません。どのような機関構成にするかは、どのような事業をやるかで考えなければならない場合もあると思います。例えば、株主一人、取締役一人、代表取締役一人の会社は一般的には不安です。個人事業の法人なりした会社又は背後に実質的な経営者がいて責任回避の手段として使っているのではないかと疑われる場合もあります。それなりの事業規模で行いたいときにはしっかりした機関設計を考えることも大切かと思います。
(8)取締役の人数と任期について
これは(7)と関係します。取締役とは、会社の経営を株主から委任された人で会社の登記簿に取締役として登記されます。代表取締役と異なり住所は、記載されません。取締役は一人でも大丈夫です。任期は、2年ですが、株式の譲渡制限がある場合に任期は最長10年まで延ばせます(中小零細企業の多くはそうです。)。監査役の任期は4年ですが、株式の譲渡制限がある場合は、取締役と同じです。
※執行役員は、商法上の役員ではありませんので登記はされません。

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