株式会社(2)役員変更等

役員変更の方法

1.株式会社の設立後、役員(代表取締役、取締役、監査役)に何らかの変更があった場合は、管轄の法務局に変更登記申請をする必要があります。

2.役員の変更登記申請する必要があるのは、次の場合です。
(1)新たに役員が就任した場合
(2)役員の任期が満了した場合(これを「退任」といいます。
(3)役員の任期満了し、退任と同時に再度役員に就任した場合(「重任」といいます。)
(4)役員が辞任した場合
(5)役員を解任した場合
(6)役員が死亡した場合
(7)代表取締役の住所が変わった場合

3.役員変更手続に必要な書類は次のとおりです。
(1)の場合
①登記申請書   ②株主総会議事録  ③株主リスト   ④就任承諾書
⑤新役員の印鑑証明
(2)の場合
①登記申請書
(3)の場合
①登記申請書   ②株主総会議事録  ③株主リス    ④就任承諾書
(4)の場合
①登記申請書
②辞任届
※代表取締役の時は押印に注意
(5)の場合
①登記申請書   ②株主総会議事録  ③株主リスト
(6)の場合
①登記申請書   ②戸籍謄本
(7)の場合
①登記申請書
※住民票は不要
8)代表取締役の就任がある場合
①登記申請書   
②取締役会議事録
※取締役会の無い場合には取締役の互選を証する書面
③就任承諾書 
④印鑑証明

4.役員変更に必要な費用・・・○登録免許税
①資本金が1億円未満の場合・・1万円(同時に数人変更する場合でも)
②1億円超える場合には・・3万円

5.期限
・変更があった時から2週間以内に行うこと。怠ると100万円以下の過料が課されることがあり
ますので要注意。
※特に「重任」の場合には、手続きを忘れがちになりますので要注意です。

商号変更(名前)の方法

1.会社の商号(名前)を変更する場合には、
○定款の変更と
○商号変更の登記手続が必要になります。

2.定款の商号についての規定の変更
・株主総会の特別決議により定款の商号の規定の変更をします。
・商号は、定款の絶対的記載事項ですので変更するには、定款変更手続きが必要です。
・変更するには株主総会を開き、特別決議を経なければなりません。
・特別決議の要件は、議決権の過半数にあたる株主が出席し、議決権の3分の2以上の賛成が
必要です。
3.商号変更の登記申請手続き
<必要書類など>
○株式会社変更登記申請書
○株主総会議事録
○株主リスト
○登録免許税3万円(印紙)
○株主総会の特別決議の日から2週間以内に登記申請を行う必要があります。

目的変更の方法

1.事業目的を変更する場合には、
○定款規定の「目的」の変更と
○目的変更の登記手続きが必要になります。
○《手続きは》①株主総会と   ②登記申請になります。

2.定款の「目的」規定の変更
・株主総会の特別決議により定款目的の規定を変更します。
・事業目的は、定款の絶対的記載事項ですので変更するには、定款変更の手続きが必要です。

3.目的変更の登記申請手続き
<必要書類など>
○株式会社変更登記申請書
○株主総会議事録
○株主リスト
○登録免許税3万円(印紙)
○株主総会の特別決議の日から2週間以内に登記申請を行う必要があります。

本店移転の方法

1.本店移転の方法には、次の3つのパターンがあります。
①同じ法務局の管轄区域内に本店を移転する場合であり、定款の変更を必要としない。
②同じ法務局の管轄区域内に本店を移転する場合であり、定款の変更を必要とします。
③同じ法務局の管轄外であり、他の法務局の管轄区域内へ本店を移転する場合には定款の変更を
伴います。

2.定款変更の必要性の有無
《定款が必要な場合》
①本店を所在地番まで記載している場合
【例】定款に「当会社は、本店を東京都台東区上野5丁目3番10号に置く」のような記載をしている会社は、本店移転の時に定款変更の手続きが必要になる。
②本店を最小行政区域(市区町村)までの記載の場合
【例】定款に「当会社は、本店を東京都台東区に置く」のような記載をしている会社は、同じ区域外(例えば、台東区外)の別な場所に本店を移す場合には、定款変更の手続きが必要です。
《定款変更が必要ない場合》
①本店を最小行政区域(市区町村)までの記載の場合・定款で定められた最小行政区域内の別な場所に本店を移す場合、定款変更手続きは要らない。

3.本店移転の登記申請手続き
(1)同じ法務局の管轄内での移転の場合

《定款変更がない場合》
①具体的な移転先及び移転時期の決定
○取締役会設置会社の場合・・取締役会で決定します(取締役会議事録)。
○取締役会がない場合(取締役会非設置会社)・・取締役の過半数の一致により決定します(取締役決議書)。
②必要な書類と費用
○株式会社本店移転登記申請書
○取締役会議事録又は取締役の過半数の一致を証する書面
○登録免許税3万円(収入印紙)
③登記申請の時期・・本店移転してから以降2週間以内。※移転する前の申請はできません。
《定款変更がある場合》
①定款の本店所在地の変更
○株主総会の特別決議により定款の本店所在地の規定(条項)を変更します。
・本店の所在地は、定款の絶対的記載事項ですので変更するには、定款変更手続きが必要です。変更するには、株主総会を開き、特別決議を経なければなりません。
・特別決議の要件は、議決権の過半数にあたる株主が出席し、議決権の3分の2以上の賛成が必要です。
②具体的な移転先及び移転時期の決定
○取締役会設置会社の場合・・取締役会で決定します(取締役会議事録)。
○取締役会がない場合(取締役会非設置会社)・・取締役の過半数の一致により決定します(取締役決議書)。
③必要な書類と費用
○株式会社本店移転登記申請書
○取締役会議事録又は取締役の過半数の一致を証する書面
○登録免許税3万円(収入印紙)
④登記申請の時期・・本店移転してから以降2週間以内。※移転する前の申請はできません。
(2)他の法務局の管轄区域内へ本店を移転する場合
※他の法務局の管轄区域内に本店を移転する場合には、旧本店所在地の法務局と新しい本店所在地の法務局に提出する書類の2件分を用意しなくてはなりません。ただし、申請は2件分とも旧所在地の法務局に提出することになります。
①定款の本店所在地の変更
・株主総会の特別決議により定款の本店所在地の規定(条項)を変更します。
②具体的な移転先、移転時期の決定
・取締役会設置会社の場合は、取締役会の決議
・取締役会非設置会社の場合は、取締役の過半数の一致により決定
③必要な書類と費用
<旧本店所在地の法務局>
・株式会社本店移転登記申請書
・株主総会議事録
・取締役会議事録又は取締役の過半数の一致のあったことを証する書面
・登録免許税3万円(収入印紙)
<新本店所在地の法務局>
・株式会社本店移転登記申請書
・印鑑届
・登録免許税(収入印紙)

資本金の変更(増資・減資)の方法

1.株式会社の「増資手続き」と「減資手続き」について
・「増資」とは:株式を新たに発行(新株発行)し、株式募集による出資を受け、会社の資本金を増やすこと。資金調達の一つの方法として、増資という選択肢があります。
・「減資」とは:資本金を減らすこと。
2.「増資」手続きについて
(1)増資とは、資本金を増やすことです
・会社の資金が不足すれば、外部から資金を調達することになりますが、調達する場合は、融資・借り入れによることが一般的です(銀行や日本政策金融公庫などの金融機関など)。この外部機関からの借り入れの他に、資金調達の方法として、既存株主や第三者から新たに出資を受けて会社の資本金を増やす増資という方法があります。
(2)融資との違い
・増資によって得た資金は、一般の融資と異なり、返済する義務あありません。
(3)増資の種類
・大きく分けて2つの方法があります。
①株主割当増資:既存の株主に対して、その株式保有割合に応じて均等に引き受けてもらう方法です。株主構成に大きな変動がないのが特徴です。
②第三者割当増資:既存株主に引き受けてもら場合でも株式保有割合に応じない場合、または既存株主以外の第三者にも株式を引き受ける権利を与える場合です。既存の株主構成に変動がありますので、会社経営に影響を及ぼします。
(4)増資の対象となる財産
・増資は、金銭出資が基本ですが、金銭以外の財産=現物での出資も可能です。現物出資の対象となる財産は主に、動産、不動産、債券等の金銭以外の価値ある財産です。貸借対照表上の資産の部に計上されるような現物でかつ、個別具体的に特定できる財産を出資の対象とします。
※なお、債権等をそのまま出資することをDES(デットエクイティスワップ)と呼びます。DESとは、社長が会社に貸し付けているお金や、未払い給料などを、そのまま出資し、資本金を増加させる方法です。デット(債務)とエクイティ(株式)スワップ(交換)することからDESと呼ばれています。
(5)発行可能株式総数との関係
・発行可能株式総数とは=その株式会社が将来にわたって発行することができる総数をいいます。増資とは、株式を発行することによって資本金の額を増加させる手続きを言いますが、発行可能株式総数を超えて株式を発行することはできません。従って、増資する際に、新たに発行する株式が発行可能株式数を超えてしまうような場合には、増資手続きにいる前に発行可能株式数の変更登記を行う必要があります。
(6)増資手続きの大まかな流れ
・株式譲渡制限会社の場合における、増資手続きの大まかな流れは次のとおりです。
【STP1】株主総会決議で募集株式発行を決定
【STEP2】株主に増資(募集株式発行)の通知
【STEP3】株主からの申込み及び出資金の払込み。現物出資の場合は引渡し
【STEP4】管轄の法務局にて資本金額・発行済み株式総数の変更登記
(7)登記費用
・登記手続きに係る登録免許税は、申請1件につき、増加した資本金の額(課税標準金額)の1000分の7
※これによって計算した税額が3万円に満たないときは、3万円になります。

3.「減資」手続きについて
(1)
減資手続きとは、例えば、資本金1000万円の株式会社が300万円の減資を行って、資本金を700万円の株式会社にすることを言います。
・減資のもっとも効果的な利用の仕方として、赤字の解消を上げることができます。<例えば>資本金1000万円の株式会社が、現在、累積赤字400万円を抱えています。赤字の400万円と資本金のうち400万円を相殺して、資本金600万円の会社にすることによって、この赤字を消し去ります。これが、減資のもっとも基本的な形です。
(2)減資手続きの概要
①減資を行うには、まず株主総会の承認を経ます。
②次いで、会社債権者に対する一定の期間(1ヶ月以上)を置いての減資公告、催告をして、この期間に債権者から意見を求めなければなりません(これを債権者保護手続きといいます)。
③なお、減資を行うには、直前期の決算についての決算公示を行うことも必要です。
(3)減資手続きの大まかな流れ
【STEP1】原則として株主総会の特別決議
※特別決議を要しない場合:資本金の額の減少を定時株主総会で決議する場合において、減少する資本金の額が定時株主総会の日(会計監査人設置会社において取締役会による計算書類の承認の日)における欠損額を超えないときは、普通決議で足ります。)
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